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2022/02/22

美しくいるための化粧品選び

みなさんは「再生医療」ということばをきいたことがありますか?

こんな話をすると「難しい…」「私には関係ない…」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、最後には「そうか!すごい!読んで良かった」と思っていただけると思います。

最後までお付き合いください。


「再生医療」とは、からだの機能障害や不全となった組織・臓器を、細胞を使って失われた機能を再生させる医療のことを言います。

つまり、

みなさんは「転んで膝をすりむいた」や、お料理の時「指を切ってしまった」なんてことを1度は経験したことがありますよね。

すり傷はしばらくするとかさぶたとなり、切り傷は傷がくっついて自然と治っていきます。これは皮膚の組織が再生されて傷が治っていくという、人が生まれながらに持っている「自然治癒力」という機能です。

しかし、現代の医療でもまだまだ治療法が見つかっていない難しいケガや病気に対して「自然治癒力」が発揮できない場合、この技術を利用し、難病の原因究明や薬の開発が日夜行われています。

人がもともと持っている機能を活かしながら、人間の技術を組み合わせて行う医療を「再生医療」といいます。


私たちの体は約60兆個の細胞からできています。

その始まりは人という個体に生まれる前の「受精卵」というたった一つの細胞です。

このたった一つの細胞が分裂を繰り返し、やがて様々な臓器や組織ができていきます。(これを「分化」といいます。)

分化し臓器や組織になった細胞を「体細胞」と呼び、

分化する前の細胞(これから分化し、臓器や組織になる順番待ちをしている細胞)を「幹細胞」と呼びます。

再生医療は、主にこの「幹細胞」を利用し行われる医療です。


再生医療と聞くと2012年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中教授の「iPS細胞」という言葉を思い浮かべる方が多いかもしれません。

これは、山中教授が2006年マウスの皮膚の細胞に4種類の遺伝子を入れる方法によって、細胞を若返らせることに成功しました。
この細胞を[iPS細胞]と名付け、米科学誌「セル」に発表し、翌07年には人でも作製したことが明らかになり日本では高い関心が寄せられました。

現在、再生医療に用いられているのは、人工的に作りだす「iPS細胞」ではなく、ヒトの身体から採取した「幹細胞」を培養して増やし、利用されています。

幹細胞とは?
幹細胞とは、自己複製能と分化能を持つ細胞です。

自己複製能とは、自分とまったく同じ能力を持った細胞に分裂することができる能力です。

一方、分化能とは、自分のからだをつくるさまざまな細胞をつくり出す能力です。

この2つの能力を発揮することで、発生や組織の再生などを担うことから再生医療やアンチエイジング、美容やコスメへの応用が期待されています。

また、実際に始まり、一定の成果も上がっており注目されています。


化粧品の成分としてよく使われるのは、ヒト由来や植物由来、動物由来です。

・ヒト幹細胞由来の培養液
医療や美容において最もよく使われるのは、ヒトの皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞です。

ただし、化粧品に使われるのは幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養する際の上澄み液(培養液)です。

・植物幹細胞のエキス
植物では、種子の中の胚や根の先端、茎の付け根といった生命維持や成長に大切なパーツに細胞を分化させる能力が高い細胞があります。

これが植物幹細胞と呼ばれているものです。

栄養成分が豊富で、細胞分裂が活性化しているので高いエネルギーを持っています。

抗酸化力や保湿力は期待できますが、ヒト幹細胞培養液に含まれる成分とは異なるものです。

・動物幹細胞の培養液
ヒトの皮膚幹細胞と構造が似ているといわれる羊やブタ、馬といった動物の胎盤から採取された幹細胞が用いられます。幼い羊の毛根や、羊のプラセンタの幹細胞が比較的使われるようです。

細胞の活性化が期待できるといわれていますが、アレルギーを発症するリスクも否定できません。

そのため、動物幹細胞は国内ではまだ流通していないようです。


これらを成分とした化粧品に期待できる効果は。

「肌のエイジング」

表皮のターンオーバーが正常化し、角質層が健やかになることでキメの整った美肌が期待できます。
また、真皮の線維芽細胞にはたらきかけ、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンをつくり出すため、肌のハリやツヤをもたらします。

さらにメラニンを抑えるはたらきや、発毛・増毛促進効果なども期待されており女性の薄毛ケアや抜け毛予防にも使えます。


肌質は問わず、普通肌や脂性肌はもちろん、混合肌、乾燥肌、敏感肌、乾燥性敏感肌、インナードライ肌のどんな肌質の方でも使うことが可能だと考えられます。また、高齢の方の乾燥肌でも使えます。

しかし、どのような成分でも誰にでも100%安全ではなく、化粧品である以上かぶれや接触皮膚炎のリスクがまったくないとは言い切れないため、新しいものを使用する前や、肌が弱く気になる方は、使用前にパッチテストをすることをおすすめします。


そして、エイジングケアはいくつからでも始められます。

20代はハリやツヤ、お肌の透明感も十分ありますが、30代にはだんだん肌の変化が気になってくる年代のため、エイジングケアとして幹細胞コスメをスタートすることをおすすめします。

もちろん、40代や50代、それ以上の世代でも使えます。

40代は「しわやほうれい線、くすみなどが気になる」「お肌がいつも乾燥してる」と30代と比べてお肌の老化が進んできた実感を受ける方が多くいるのではないでしょうか。

そして、
50代では、誰もが避けて通れない更年期を迎え、閉経を迎える年代であるため、単にスキンケアだけではなく、からだの変化も交えながら、美肌をキープするためのエイジングケアについて考えていく事が必要になります。

昔からずっと使用してきたものではなく、年齢や肌の状態、体の変化に合わせて化粧品を選ぶ事が大切ですね。

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