桜の咲く季節。
あちらこちらでたくさんの花が咲き、彩りをかざる。
頬に触れる風が温かく「春が大好き」という方もたくさんいるはずです。
しかし、季節の変わり目でもある春は、精神的に不安定になりやすい時期でもあり、
「疲れているのに、うまく眠れない…」という声もよく耳にします。
「よく眠れない…」と感じる理由(わけ)。
春は、職場での人事異動や部署の再編、転勤などにより
生活環境が大きく変化することで、ストレスを感じやすくなります。
そして、
気圧や朝晩の寒暖差によって、体温を調節する体の機能にも大きな負担をかけます。
そのため、体はそれらにうまく順応できず、
自律神経のバランスが乱れやすくなり、
睡眠の質が低下してしまう時期といえます。
これは「不眠」ですよ。
その1:「なかなか寝つけない、寝つきが悪い」
ベッドや布団に入っても、寝つくまでに時間がかかってしまう。
眠る体勢が決まらず、あっちを向いたりこっちを向いたり…
「眠れない」という気持ちが頭の中でグルグル回り、ストレスとなり、
さらに眠りにくくなってしまうこともあります。
その2:「夜中に目が覚める」
夜中に何度も目が覚める…
目が覚めて時計を見ると「まだ、2時。さっき寝たばかりなのに…」
そして、一度目が覚めるとまた寝付けない。
それらも不眠の症状のひとつです。
その3:「目覚めが悪い」
朝、起きた時にスッキリしない。
しっかり眠った感じがしない。
睡眠時間はたっぷりとったのに、体がダルい…
熟睡できていない方は、睡眠の質が低下している可能性があります。
その他にも
「目覚まし時計より早く目覚めてしまい、もう1度寝ようとしても眠れない」などがあります。
自律神経が乱れると言うことは、睡眠時に交感神経が優位になってしまい、
ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールは副腎皮質という組織から多く分泌され、
血糖を上げたり身体の炎症やアレルギー反応を抑制したりする働きがあります。
コルチゾールが分泌されると交感神経が刺激されて
脈拍や血圧が上昇するため、脳と体を覚醒状態に導きます。
朝はコルチゾールの分泌量が特に多く、
夜になると減少することで身体のリズムを整えています。
しかし、自律神経が乱れると睡眠時にも多くのコルチゾールが分泌されてしまい、
不眠を引き起こすのです。
また、自律神経の乱れは不眠の他に、便秘や頻尿、肩こり、気分の落ち込み、
目や口の渇き、耳鳴りなどの様々な症状を引き起こします。
では、どうしたらよいのでしょう?
「自律神経」とは、
いわゆる自分で意図的にコントロールできない神経のことを言います。
具体的には、内臓や血管、皮膚などで、
「今、緊張しているからリラックスするために心臓をゆっくり動かそう」などといって
自分で動かすことはできませんよね。
しかし、
自律神経に意図的に働きかける方法のひとつがあるとするなら「呼吸」です。
実は呼吸は、自分の意思ではコントロールできないと言われている自律神経の機能を
唯一直接自分で高めることができる行為なんです。
つまり、良い呼吸をすれば自律神経が整って
体内のあらゆる機能が高まり、健康的な毎日を過ごせるようになるということです。
生理学的に分かっていることは、
通常、息を吸うときには、交感神経節にアドレナリンが出て、交感神経が高まります。
反対に、
息を吐くときには、副交感神経節にアセチルコリンが出て、副交感神経が高まるのです。
このように、呼吸をコントロールすることで、
意図的に交感神経と副交感神経に影響を与え、
自分のエネルギーバランスをコントロールすることができるのです。
たとえば、
仕事で、プレゼンテーション前に緊張して心臓がドキドキ!
手には冷や汗。
そんなときにゆっくりと深呼吸をして、心を落ち着かせます。
呼吸の方法も、そのときの状況に合わせ
エネルギーを高くしたければ、吸う呼吸を多めに速くし、
リラックスしたければ、吐く呼吸を長くゆっくりとするとよいです。
そういった呼吸のコントロールによって、望ましい自律神経の状態に近づいていきます。
難しいことを考える必要はありません。
いつも無意識に行っている呼吸にじっくり向き合う時間を作り、
全身に酸素や血液がめぐるイメージを持ちながら呼吸をすることで、
身体ばかりか心も癒される感覚が味わえるはずです
そうして、自律神経が整ってくることで、質の良い睡眠が出来ます。
これは寝る前に副交感神経を優位にすることがポイントですよ。
深呼吸…
毎日気軽にできて、寝る前たったの5分。
自律神経が整うことで、寝つきが良くなり、朝すっきりと目覚められるようになるはず。
気持ちは穏やかになり、リラックスする自分にも気づけると思います。
是非やってみてください。
みなさまがより美しく、より健康でいられるよう心より、願っています。