厚生労働省の国民生活調査で、常に体調不良の上位に上がるのが「肩こり」です。
特に、女性の自覚症状として「肩こり」が最も多く、
さらに、日本人の3人に2人が肩こりを感じていているというデータもあります。年齢的な割合としては30代~50代が最も多いです。
まさに「国民病」といえるでしょう。
では、なぜ肩がこるのでしょうか?
単純に手先の細かい作業が多い…
リモートワークでパソコン操作をしてるから…
そう思われるかもしれませんが、肩こりの原因は1つではありません。
まずは、人の体の構造を考えてみてみましょう。
あまり意識したことはないかもしれませんが、
たとえば… 細いホースのようなもの(首)の先にボーリングの球(頭)が乗っている状態だとします。
ホースはよっぽど頑丈に出来ていなければ、頭の重みでグラグラしてしまい
まっすぐに立っていることはできませんよね。
すなわち、前を向いて立っていることだけでも首にとっては大変なことなのに、
作業をしているときの姿=頭を前屈みにして肩をすぼめる姿勢は、
相当な首・肩の負担になることは理解できますよね。
頭の重さは体重の約10%ほどだと言われており、50kgの体重の方で
大体5kgあります。
そんな重い頭を首で支えながら、私たちは日常生活を送っているのです。
しかも、肩には腕がぶら下がっている状態です。
腕の重さは、体重の5%と言われています。
二足歩行をする人間は、もともと首や肩に負担がかかりやすい体の仕組みをしていると言うことになります。
(肩こりが起こる仕組み)
首や肩まわりの筋肉には、たくさんの血管が通っています。
筋肉の伸び縮みは、血液の循環を促し、全身に酸素や栄養を届けるポンプのような役割を果たしています。
しかし、首・肩の筋肉が緊張することによって、筋肉が硬くこわばって血管を圧迫し、血流が悪くなってしまいます。
そうすると、疲労物質が蓄積していき、神経を圧迫して、硬さ、だるさ、重さといった肩こり特有の症状を引き起こします。
筋肉の緊張や血行不良を起こさせる原因は、悪い姿勢の他にも、眼精疲労や精神的ストレス、運動不足なども考えられます。
では、肩こりの解消するためにどうしたらいいのでしょうか?
答えは単純! 原因となる事をしない。
・同じ姿勢を長時間続けず、定期的に休憩やストレッチなどを入れる。
・パソコンやスマホなどは、画面の明るさを調整したり、ブルーライトカット機能のある眼鏡をかけたりするのも効果的。
また、度の合わない眼鏡やコンタクトも注意してくださいね。
・衣類などでも、首や肩を温めて筋肉の血行を良くする。
・運動不足により筋肉が減少すると、姿勢が悪くなります。
適度な運動や体操を心がけましょう。
・お風呂では湯船にゆったりつかりリラックスする。
・デスク周りは、姿勢が悪くならいように、机、イス、パソコンの配置を考える
日常生活のちょっとした工夫で、首・肩こりを防ぐことは可能です。
人生を健康に過ごしていくためにも、首こり・肩こりのない生活を心がけていきたいですね。